病院での一夜

「父、急変」の知らせが入ったのは、24日、21:30のこと。
取るものも取り敢えず、夫婦で父の元へ向かう。

ベッドサイドに顔を寄せてみると、これまでに見たことのない苦悩の表情を浮かべている。

「いよいよ、その時が来たんだな…」
私達夫婦は覚悟した。

けれど0時を過ぎる辺りから、顔から「苦悩」の色が薄らぎはじめた。

夫は0時過ぎに自宅に戻り、入れ替わりに弟がやってきた。

事態は深刻であるのだけど、私は…その内、「心の奥底がジンワリ」と痺れるような「幸福感」に浸っていた。
殺人的に忙しい弟と、親子三人で過ごす…この時。奇跡のような時間。
普段、クールに接している(と、思われていた)弟が、父を見つめる横顔。私は泣いてしまいそうだった。

「お父さん、Tちゃん(弟)は自慢の息子だったよね」
「色んなところに旅行に行ったよね」
「絵描きさんでは、誰が一番好きなの?」



橋

(最後の旅行地、モルディブにて)


デッキ2

(モルディブの夕暮れ)


どの言葉が、父に届いているのかは分からない。けれど、いいのだ。
これが最期になるかもしれない会話。顔を見ながら話すことの出来るひと時。

布団の下に潜り込ませて握る手は…父の手だった。懐かしい温かさだった。父の匂いもイッパイ嗅ぎたい。記憶にとどめておきたいのだ。

父と弟と私。優しい優しい三人の時間。
父の側で、夜を明かせたことは…思い出。

一応の容体は落ち着いたので、一旦、自宅待機ということに。
今から仮眠を取って、又、今夜の急変時に備えます。

どうか、「最期のとき」も…穏やかに父を見送ることが出来ますように…。




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2011/10/25 06:22 | 父のことTRACKBACK(0)  TOP

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