人生で無駄なこと

私がいつも胸に置いている言葉。


「人生で無駄なことは一つもないのよ」

これは、私の友達の言葉。

実感する。
つくづくと、そう思う。

私が特発性血小板減少性紫斑病(血小板の値が異常に下がり、出血が止まらなくなる難病)と子宮ガンを同時に発症したとき、私の入院している病院のベッドの横で彼女は言った。

子宮ガン。
38歳。独身。これから一生を独りで生きていくと信じていた。
ステージは「1B more than」と言われたけれど、それもお腹を開けてみなければ分からない。

しかも。
特発性血小板減少性紫斑病のために、急がなければならない「ガンの手術」をすることが出来なかった。
身体のなかで、どんどん育っているであろうガン細胞…。

そして。
決定気的な重大事項がある。
筋ジストロフィーの患者に、全身麻酔は危険なのだ。筋肉を弛緩させるので、命の保証はありません…と主治医に言われた。
何から何まで、覚悟しなければならない。

仲良しのYちゃんが言った。
「んもー。バッカみたい!確実にその日は来るんでしょ!だったら、時間が勿体ないから英語の勉強とかしていなよ」

仰ることは分かります…

けれどね。
有り難いアドバイスだったけれど、私には難しいことだった。
寝ている時以外は、常に「ガン」のことしか考えられないんだもの。

不安で不安で。
入院から手術までの二ヶ月間、頭がおかしくなると思った。
見舞い客が間をおかずに来てくれることが有難い。私は面会時間の間じゅう、ひたすらに喋り続けた。
黙ってしまったら、脳の中が「ガン」への恐怖で占められてしまうから。

今ではもう、主治医から「完治」と言われているけれど。
あの時のことを、ふと思い出す。

38歳の3月12日。
私が、想像もしなかった三ヶ月間にも及ぶ入院生活と大手術の…始まりの日。

誰が好き好んで苦労をするだろう。

けれどね。

「人生で無駄なことは一つもないのよ」

お嬢さん育ちの彼女が、東京に出てきてから経験した色々なこと。
嬉しいこと、楽しいことばかりではなくて。
死んでしまいたいほど辛いだろうと…彼女の相談ごとに胸を痛めたことも幾度もある。
けれど、彼女は強かった。

辛いことは「辛いこと」として受け止めて、落ち込む時には「落ち込んで」。
全部、彼女は受け入れてきた。

あれから10年近くが過ぎて…。

彼女は今、とても幸せ。
結局は、自分が思い描いた通りの人生を手に入れた。

だから。
彼女の言葉には説得力がある。

そして。
あの時の私があるから、今がある。




Motoko Alexander  ハート2

PHOTO ST  by Motoko Alexander



今は辛くても。
心が折れてしまっても。

経験は活きる。必ず。

私は子宮ガンになっていなければ、今の夫と出会うことは決してなかった。

長い人生。
今、私は大切な友達に向けて、この言葉を送りたい。

「人生で無駄なことは一つもないのよ」

そう思える日が、いつか。
きっと来るから。




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2010/03/03 23:55 | 独り言COMMENT(0)TRACKBACK(0)  TOP

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