不気味

病院に呼ばれました。

主治医から、患者さんのご家族にお話があります…と。

弟が私を車で迎えに来てくれて。
医師との約束の15分前に、父の病室に着きました。

それから1時間半。
病室には、父と弟のイビキだけが響いています。

医師との約束で、時間通りに呼ばれることがないことは承知しています。
何とも、暖かく平和な午後…。

けれど。
ナースステーションで、主治医の言った内容は。

「今後、お父さんは二度と元のお父さんには戻りません」
「療養施設を探しましょう。資産の整理をして下さい」

父が治る…と、信じていた私には…ひどく衝撃的な宣告でした。

お見舞いに行くと、いつも静かに黙ったまま…沈黙の個室でジーッと天井を見つめている父。

「お父さん!」と、話し掛ければ、どうにか会話は成立します。
いつもの父ではないけれど。声も弱々しいものだけれど。
お友達の名前もハッキリ覚えているし、ここがどこかも理解している。

それなのに。

何がどうして、どうなったから「元のお父さんには戻りません」なのか。

主治医に失礼かとは思ったけれど、何度かその根拠を尋ねてみました。

「脳に梗塞の痕跡はあるけれど、それが原因ではありません」

………。
では、どうして?

その答えは明確には医師から返っては来ませんでした。

とにかく、早急にやらなければいけないことは。
父の胃にチューブを通して、食事を採らせること。

「同時に嚥下(えんげ)の訓練もしていきますが、本人にやる気がなければ、そのまま一生チューブから栄養を採る形になります。胃に穴を開けると言っても、そんなに大袈裟な話ではありませんから」

「治す」話ではなくて。
「殺さず、生かしておくための」話です。

いともアッケラカンと話される医師の顔を…ボーっと私は見つめていました。



4_20100118151116.jpg

(カヌフラの月)



ただ。
帰宅途中の車の中。ショックから我に返った私は気付きました。

医師は、カルテもCTの画像も、肺炎のレントゲン写真も、血液検査のデータも…何一つ、示していない。

今の世の中、医師と患者が一(医師)対二(患者の家族)の形で、人生を左右するような話をする訳がない。
後で、言った言わないの話になった時、ややこしいことになります。
実際に「ドクターハラスメント」然り、その逆のパターンだってニュースになっていると言うのに。

それに。
「こちらの病院では、主治医制度はとっておりません。チーム制なんですよ」

そう、病室の看護師は言っていたけれど。
今回、父の病状について。私も家族も、話をしたのは、主治医だと言うその医者と、入院当日、同席した看護師の二人だけ。

分からない。もしかすると、私がノイローゼなのかしら?

現在、父が入院している病院は「保険料はお支払い出来ないと思われます」と言った保険会社から紹介された病院。

受け入れて下さったことに感謝はしています。
けれど、CTの検査を年末に一度。脳波の検査を一度。

たった、それだけの検査で「本当のこと」が分かるのでしょうか。

帰国して、父が入院した当日、主治医は言いました。

「余りにも、マーレの病院と、こちらで今撮ったCTの所見が違うので戸惑っているんですよね」
「調べなくてはいけないことは沢山あります」

現在、脳梗塞の痕跡はありません…そう。確かにそう仰った。

謎だらけ。
納得出来ない。
何を信用しろと言うの。

父を見殺しにする訳にはいかない。

冷静に…冷静に。(皆さんのご忠告通り)

「真実」を知るべく。
対処していこうと思います。



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2010/01/18 23:55 | 父子モルディブ旅行COMMENT(2)TRACKBACK(0)  TOP

コメント

けめ様

何だかね、凄く凄く不思議なの(-"-)
気持ち悪い。ハッキリ言って。

結局、今日も病院に行って担当の看護師に聞いてみたら、殆ど父の検査は行われていなかったのよ。信じられる?
一生を寝たきりで過ごすかどうか、その人の人生にとって大問題だと思うのだけど…。あんなに簡単に何のデータも示さずに言える言葉なのかな…。

今はただ、不信感だけが募り…「父を守る」という感覚しか無くなってしまったの。
本当は信頼出来る主治医の居る病院に入院させたかったのだけど、保険会社の意向で今の病院に入ったことも「疑惑」の一因になってる。

けめちゃんのお義父さんのように、納得出来る材料さえあれば、私もこんなことをblogに書かなくても済むのに…と悲しくなるのよ。

でもね。きちんと向き合おうと思う。保険会社とも病院とも。

有難うね!ちょっと元気が出たよ!色んなこと、頑張るねv-218

No:2445 2010/01/19 01:27 | Natsu #- URL編集 ]

Natsuちゃん、辛いね…

Natsuちゃん 辛いね(T_T)
行きの成田での照れくさそうにほほ笑んでいるお父さんの笑顔を見ると尚のこと。

だけど、どうして担当医の先生は納得のいく説明をしてくれないんでしょう???
CTでもMRIでも、家族に納得のいく経過報告をしてもらべきですよ。
梗塞の形跡がないのなら、家族は回復に望みを持てるじゃないですか、ねぇ。

義父の場合は脳出血が原因であることを画像を見ながら説明を受けたので、
次に打つ手や心の準備も出来ました。

調子の良い時は介助で口から食事を摂っていましたが、
嚥下障害があると気管に入って肺炎になるので現在は胃に穴を開け(胃ろう)て栄養を摂っています。
完全介護の要介護5、長期療養型の病院に入って6年目です。

財産管理など、法務局や家庭裁判所での手続きを経て
成年後見人になる事も考えて置いた方がいいのかもしれませんね。

でもNatsuちゃんのお父さんの場合は、
決定的なダメージの痕跡も無いのだし、可能性は捨てないでね! 絶対に!!

No:2444 2010/01/19 01:25 | けめ #- URL [ 編集 ]

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