医者の正義

医者の正義とは何だろうか?

先日、Gokota の個展に一緒に出掛けたKちゃんが言った。

「人の役に立ちたい…ってのが、そもそも自己満足だと思うんだよね」

最近、「医者」というものに、かなりの疑念を抱いているらしい。
Kちゃんが言わんとしていることは、分からないでもない。

中には勿論、志を抱いて医者になる人も居るだろう。
只、最近、そうとも思えない医者に出会ってしまうことも少なくない。

それは、父の診察に付き添った9日のアルコール外来での一場面だ。



武蔵の桜

(病院の敷地に咲く桜)


元々、○○病院から八王子の病院に転院をするように勧めてくれたのも、父の主治医。若くて情熱溢れて…患者のことを熱心に思う医者。
こんなDrも居るのだなぁと…彼との出会いに感謝した。

私は彼に絶大な信頼をおいた。こんな人も居るのだ。病棟の面会室で、父のMRI画像を手に…一時間以上、私に熱心に説明をしてくれた人。

けれど、9日は様子が違っていた。

「あれ以来、お酒は呑みましたか?」

父が正直に…

「はい、缶ビールを一本だけ」

そう答えた瞬間に、 ブチッ という神経の切れた音が聞こえたような気がした。

それからの彼は、私がこれまでに見たことのない表情、声色で…その態度はヒステリックにさえ感じる。私の知っている、信頼を寄せていた彼ではない。

人間だもの。仕方ないのかもしれない。

けれどね。父は「アルコール依存症」の患者。アルコール依存症は、あくまで「病気」であるということを根気よく、私に教えてくれた。
その彼が何故、「患者」相手にムキになって苛立っているのだろう。



武蔵の桜2

(病棟と桜)


この日、主治医は罰として、父に「次に飲酒をした場合、今度こそ、一生病院から出られませんよ」と告げた。
けれど、精神疾患の一つでもあるアルコール依存症の患者に、果たしてその言葉は合っているのだろうか。

医者の正義。
医者のプライド。

もしかしたら、彼は「医者としての正義」だと思っているかもしれない。

娘ではあるけれど、あくまで第三者的な立場でその場に居た私。私だけが冷静だったと思う。
「現在、処方されている薬」に対しての疑問。父の心臓が思わしくない状態だと言うけれど、そのレベルは?そういう問いには、きちんと答えてくれるのだけど…。

微妙な温度差。

医療に対して熱くて、真剣な主治医。

次回の診察日は、二週間後になった。


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2009/04/11 01:13 | 父のことCOMMENT(2)TRACKBACK(0)  TOP

コメント

daria様

削除なんて、するもんですか。これだけ、きちんと私と父に向かって真摯に書いてくれているのに。

確かに「ズバリ」のご指摘だとは思う。でも、「きつい」とは思わない。dariaちゃんの指摘が最もで、私が反論出来ないから。
実は…私がこの記事を書く!と言ったら、マーチンが凄く反対した。恩ある先生に対してすることじゃないって。でも、私はどうしても、書きたかった。

それは、「医者が感情で動いて良いのか」という点。
仰る通り、父はともかく(とにかく呑みたい訳なので)…ここで私の甘さが出てしまったのだと反省してる。昨日、訪問看護師から電話があって「結局Natsuさんも、全然分かってないってことじゃないですか!」と怒られたばかりで…。
それに対しては、看護センターの人達の「身内のような献身的なケア」を私自信が裏切ってしまったのだなぁと、もう返す言葉は無かった。「甘えでした」としか。

> あれもこれもの、価値観を一緒にしては、矛盾が起きて当たり前だと思うの。

そうなんだった。この言葉は、当たり前過ぎる位当たり前だと、普段は理解していたつもりなのに、すっかり忘れてしまっていた。あの診察室では。

そうなのよね。父に「裏切られた」と感じた主治医。父に思い入れがあるからこそだよね。人間だから当然なのかも。医療従事者の前に、一人の人間だものね。
そう、私は「病気が悪い」&「依存症」という病気の性格に甘えが出たのだと思う。「だからお父さんは悪くないのよ」って。父を庇いたくなってしまった。

けれど、次回、救急搬送されたら、もう本当のお終いだそう。内科の病院ではアルコール依存症の患者は受け入れをしないので、必然的に八王子の病院送りになって…もう一生出ることはできないそう。

ああ、そこまで昨日の看護師との電話で理解したはずなのに、この記事を書く私の「甘さ」。
線引きが必要なんだと改めて思い知らされる。ここで、きちんと教えてくれて有難う。じゃないと、私達親子はとんでもない方向に進んでいたかもしれない。
もう一度、最初に戻って親子共々、考えてみる。

削除なんかするもんか。内緒コメじゃ、dariaちゃんも私を甘やかすことになると思う。
だから、ここにこうして、きちんとコメントをくれたことに感謝するよ。
いっつも心配ばかり掛けてゴメン。でも、有難うを沢山言いたい。

P.S.dariaちゃんの「アルコール依存症に対しての解釈、理解」は全て合っています。月乃さんの言葉が全て。

No:703 2009/04/11 14:34 | Natsu #- URL編集 ]

NoTitle

難しい。しんどい時間だったね。コメントしずらいけど、ここだけ避けるのもね。あえて。

Natsuさんは、どうしたい。
飲んでも父の人生だからと、父らしく生きる方を選択したいのか。
医療側の言うように、心臓も悪いし、万が一の命を思ってずっと病院生活を選択したいのか。
病気の説明を延々をして、信頼して出した先生。もう二度と飲まないと約束したお父さん。
これについては、Natsuさんはどう考えてる?
以前の記事でも、月のさんの番組でも、一本でも、一滴でもって読んだ気がするのは、私の知識違いか。
正直に言ったお父さんも、小さな甘えはなかったか。これくらい飲んでもいいじゃんと思ってるのも、やさしい娘の小さな甘やかしはないのか。
医者は、治すのが仕事。医者への信頼って言うのは、医者の人間性とは少し違うと思う。もちろん、甘えたい気持ちも分かるし、人間的にいい人であって欲しい。私も、それは重々経験している。人として、最低だな。って思うお医者さんも、当たったこともある。
母の次々変わっていく主治医に対しても、最初は愛を持って、なんて思ってたけれど、今の私は、治してくれるならどんな人でもいいとまで思っているし、逆に、治らないなら、優しく接してくれる人の中だけで過ごさせてあげたいと思っている。
なっちゃんもプロとして動いた経験があるなら、今もプロなら、治療者、医者としてのプライドについては、どう考えるだろう。一生出られない、出せない。と言いながらも、かけあったNatsuさんの話に耳を傾けた医者を、どうみるだろう。

あれもこれもの、価値観を一緒にしては、矛盾が起きて当たり前だと思うの。

おとうさんのことは、ここの記事の分でしか情報を知らないから、私の覚えている印象は違うんだろうか。一人冷静だったというNatsuさんは、どこを最優先に願っているんだろう。

きついこと書くね。内緒コメは、ちょっとずるいかと思ってあえて書いた。傷つけたら、本当に申し訳ない。
それぞれの立場で全力を尽くせば、立場が違う分摩擦が起きる。お父さんと花見も、旅行もできる!羨ましいよ。先生は、身内とは違う。Natsuさんが、お父さんを慰めて励ましてあげられる一番だ。
誰も悪くない。病気が憎い。私は母に関しては、いつもそう言い聞かせている。もちろん、いまだに、怒ったり泣いたりしながら。
どうしたらもっと良くなるか。何が良くなるか。Natsuさんは、発信していけばいいと思う。
皆が、それぞれの立場で、もっと良くなる何かを探っていけばいいと思う。ああ、ほんと長々ごめんね。読んだら、削除、オッケーだから。

No:702 2009/04/11 10:34 | daria #- URL編集 ]

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