我が侭

この週末、金曜日の夜から今日の夕方まで。入院中の父が、外泊で我が家に泊りに来ました。

普段は、ファザーコンプレックスとも思えるほど、父を案じてしまう私なのですけれど。

三日間は長いねー 汗

思い出しました。
一緒に暮らしていた時は、九州男児の父の性格と、厳しい躾に反発して…どれだけ親子喧嘩をしたものか。

それが、25歳で私が家を出されてから。
「20歳を超えたら、一人の人間として独立しなさい」という理由からだったのですが。

離れて暮らすと、今度は妙に恋しくなるものです。
親子、仲良くなりました。父のお友達に混ざって、私も一緒に旅行に行ったり。
私の友達と一緒に、父も呑みに行ったり。

だけれど、270日近く入院している「父の抑圧された感情」は、病院の外に出ると同時に溢れだしてしまうようです。一日目はご機嫌。二日目以降、我が侭になります。
しかも、その「抑圧された鬱積した思い」は娘の私に向けられます。

「そんなに不満なら、ここに来なければいいでしょ!」

「もう二度と来んな!」

何度、喉元までそんな言葉が出かけたことか。

けれど。思い出しました。

私が癌で入院していた三ヵ月間、父は毎日往復二時間かけて見舞ってくれました。
心から感謝しました。…していた、つもりでした。
段々と疲れの見える父に、弟は言いました。

「親父がそんなに頑張ると、自分が倒れるぞ。せめて一日おきに通ったら?」

それでも父は、毎日顔を出してくれました。

毎日、昼間から22:00頃まで色々な人が顔を見せてくれます。
仕事や日々の生活の中から、時間を見つけて見舞ってくれる人たち。本当に、皆には救われます。どれだけ「有難う」を言っても、言いきれません。

癌の恐怖から逃れるには「ひたすら、誰かを相手に喋り続ける」しかなかったのです。



夕焼け

by プルメリア


ただ…病気に対しての不安、狭い空間で生活しなければならないことへの我慢、そんな鬱積した感情も積もり。その気持は「父」に向かいます。散々、悪態ついて、我が侭を言って。

ある日、同室の50歳を過ぎたくらいの女性に注意されました。

「お父さんに向かって、あの口のきき方はないでしょう。感謝の気持ちが、貴女には無いの?」と。

………。

その方の言葉でハッとします。そして有難いなぁと思いました。嫌われるかもしれない言葉、単なる同室の患者でしかない私に進言して下さる。

その日から、私は父に我が侭を言うのを止めました。

でもね。父は77歳。前頭葉の働きも鈍ってきているでしょう。我が侭も言いたくなるでしょう。

あの時、助けてもらったのだから。
父の「我が侭」をポーンと受け取り、ポーンとどこかへ投げる。そんな技をようやく学び始めた今回の外泊でした。それに、46年掛かるとは… ねこ

出所…いえ、退院の日も近い。
こんな大事なタイミングで、風邪、引くなよ!頑張れよ!

貴方の我が侭は、これからはもっと上手にポーンと投げられるように精進致します。


2009/02/02 01:10 | 父のことCOMMENT(4)TRACKBACK(0)  TOP

コメント

Ray様

Rayさん、コメント、有難うございますe-414
弟が先日、「親父は世の中のルールを破ることに生き甲斐を感じているんだろ!」と責めているのを聞いて、ちょっと吹き出しそうになりました。
父は自由人。確かに言っておりました。「日本人だけだぞ!赤信号で止まるヤツは!」と(苦笑)
確かに、心臓が止まっただの、延命措置だの、意識不明だの…それだけでも十分なのに、「喉元過ぎれば何とやら」e-263 困ったものです。
でもね!Rayさんのコメントに励まされます。有難いなぁ。そんな風に言って下さって。
もっと練習しなくちゃね。軽くポーンと投げる技。

No:464 2009/02/03 00:44 | Natsu #- URL編集 ]

我侭は素敵です

私の祖母は、アルツハイマー型認知症です。
先日、母がしみじみ申しておりました。
何が辛いといって、何の反応もないのが一番辛いと。

我侭を言えるNatsuさんの父上は素敵です。
一生出られないかもしれない施設から、
自分の力で「脱出、出所」を目論む父上は凄いパワーです。

少しの愚痴の中に限りない愛情を感じる今日のエントリーに感激しました。

 >ポーンと受け取って、ポーンと投げる、、、。
現場に直面するNatsuさんの、ある種、深い言葉だって感じました。

生意気言ってごめんなさい。
じゃぁ、又。             レイ
 

No:463 2009/02/02 21:53 | Ray #oZ7jDp7k URL [ 編集 ]

daria様

そうかぁ。お父さん、毎日通っているのね!あのblogで拝見した穏やかそうな、ダンディなお父さん。お母さん、本当に幸せねe-53
しかしね、家は違うよ!私、疲労の極値に達した父にある日言われて呆然とした…。「こっちも限界なんだよ!早く退院してくれよ!」って。よっぽど疲れていたのだと思う。
手術を控えた私は言われて呆然としたけど、病気は家族も壊す(壊れなかったけど)のだなぁと悲しくもなり、切なかったわ。
父も私も、未熟なの。未熟なんだけど、心配で堪らない。厄介な親子関係でございますe-351

No:462 2009/02/02 13:06 | Natsu #- URL編集 ]

Re: 我が侭

うちの77歳の父が母のところに車で毎日一時間かけて行き始めて、もうすぐ三年。
行ってる方は、病室にいる本人のそんな気持ちが分かるからこそ、毎日行ってるよ。
顔見に行く方も、支えなんだ。お父さんも、Natsuさんも、その女性も、みんなやさしい。
せいぜい、わたしら精進しましょ^^;

No:461 2009/02/02 12:51 | daria #- URL編集 ]

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