Human Library 終了後…

※ 「Human Library」は、一般市民の方を対象にして行われている取り組みです。各大学のゼミ生たちは、スタッフとして企画・運営に当たっています。


明治では、Human Library 終了後に、反省会&今後についての話し合いが行われた。

ランダムに1番~6番までの数字を割り当てられて、同じ数字でグループ分けされた人たちで意見・本日の感想などを話し合う。
私個人としては「筋ジストロフィー」という病気の特徴から、あくまで「1対1」の対話の方がお話はし易かったけれど、概ねの意見は「1対1」の対話は「本」と「読者」の腹の探り合いで終わってしまうのでは…という懸念の声も出た。

「本」一人に対して「読者」が一人の場合、一日に「読むことの出来る本」が7冊に限られてしまう。
課題は、それぞれ残りそうだ。けれど、今後、こうした意見が各大学の、共通マニュアル事項として共有化されるのであれば、それは望ましいことではないかと思う。

 普段の生活のなかでは、出会うことの少ない「マイノリティ」の人のお話を聞いてみませんか 

広い教室に集まったマイノリティのメンバーの顔をぼんやりと眺めながら…「マイノリティねぇ」と、呟いてみる。ここに居る人たちは確かに「少数派」だ。
私の筋ジストロフィーも、稀少難病なのだから、マイノリティに間違いはない。
この病気でただただ孤独に苦しんでいた頃、まさか、こんな形で私の話を「本」という形で聞いて頂ける時が来るとは思ってもいなかった。

私もお借りしたい「本」は沢山ある。この「リビングライブラリー」が、もっともっと認知されて活動が広くなっていけばと願う。


★‥∵:*:☆*゚★。::*☆‥∵:*:☆*゚★。::*☆‥∵:*:☆*゚★::*☆‥∵:*:☆*゚★


会議終了後、明治の学生さんは皆さん、一斉に会場の後片付けに入らなければならなくなった。
さて。私の電動車椅子はどうしよう…。30kg以上の塊を一人で車に積むことは到底、無理なので…。

そこへ!女神のように私の目に映った彼女たち
この時、本当は後一人、爽やかな好青年(今は「イケメン」というのだろうな)が居たのだけど、残念ながら写真には映っていないの。



駒澤2



明治のゼミの先生の許可を頂いて、駒澤 坪井ゼミの彼女達に地下の駐車場まで付き合ってもらう。
頼れる彼ら!
電動車椅子を車に積んで、地下駐車場の料金精算まで全て手配してくれた。本当に本当に有難う。私はあなた達が大好き
再会を約束して、車のアクセルを踏む。

車を地下から地上に出して、私はホッと一息ついた。ペットボトルのお茶で口を潤す。
さて!いよいよ、帰りの首都高へ突入よ!
帰りは運良く、ひどく道が混んでいた。私の様なドライバーには「渋滞」が丁度いいかもね…と思うほどにくたびれ果てていた。

普段の2倍くらいの時間をかけて、ようやく私は自宅の車庫に辿り着いた。
ああ、もう、この脱力感。

それなのに…。

リビングに入った瞬間に、視界に入るラジコンカー。

「何?これ?」
「買ったんだよ」
「へー  具合が悪くて今日、来られなかったのに…ラジコンカーを買う元気はあるんだね…」

「え?これ、Natsuのためだよ!だって、Natsuは車庫入れが出来ないじゃん。だから、わざわざ買って来たんだ」

「………………………………………………………

身体中から力が抜けていった。

夫は、本気でこの大きなタイヤのラジコンカーでバックの車庫入れの練習をさせようと考えたみたい



ラジコンカー1



ラジコンカー2



だけれど、結果はね…。
夫に悪態をついている状況ではなかった…。

ラジコンカーを猫の餌入れに見事に衝突させて引っくり返し…水入れにも当てて、水をこぼし…。

あああ。これがラジコンカーで良かった…。

マーチン、練習用に買ってくれて有難う。私、反省をして…首都高を安全に走ることが出来るように頑張りますっっっ



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2010/11/30 14:30 | リビング・ライブラリーCOMMENT(6)TRACKBACK(0)  TOP

明治大学 Human Library

胆石があろうが、何があろうが、一ヶ月以上前から入っていた予定。

28日、明治大学 駿河台キャンパスにて行われた「Human Library」に参加した。
「生きた図書館」に参加するのは、これで二度目だ。

10月10日に開催された駒澤大学の「リビング・ライブラリー」と、ところどころ内容に変化はつけているけれど、その趣旨に変わりはない。
例によって「私」が「本」となって「読み手」の方に借りて頂くという取り組みの一環。
(※  「ハートネットピープル」 参照) 

どうにか無事に、行って帰って来た。
本当は夫に付き添って貰う予定だったのだけど、彼は風邪による体調不良で…当日の朝になって「悪いけど、一人で行ってくれないかな…?」と、力のない声を出す 

そんなぁ~。私一人で行って帰って来るなんて…。かなり無謀な行動にも思えたけれど仕方ない。
電動車椅子は積んであったので、仕方なく…一人で車を出した。

いやぁ、首都高って本当に恐ろしいわ
目的地が近くなって、いきなり「出口です」とカーナビに指示されたけれど、私は三車線の一番右にいて…出口は一番、左側にあるものだから緊張がピークに達したわ。無事に降りることが出来て良かったよぉぉぉ
は~、通り慣れない道は心臓に良くない…。

ところで。
今回、駒澤大学の「リビングライブラリー」との一番大きな違いは、「1対1」の対話方式であったという点。
駒澤大学では「5対1」の対話方式で、私には5人の方と均一にお話をすることが課題として残る形になった。

5人の「読者」の方の興味や知りたいことが同じとは思えないから。
私の「伝えたいこと」だけ一方的にお話すれば良いかというと、それは私は望まない。せっかくご縁があって、例え30分間という短い時間でもご一緒するんだもの。
「本」と「借り手」が、より近付ける場でありたいと思う。

そして、もう一点。駒澤大学との大きな違いは。明治は、1コマ30分を…途中15分間の休憩を入れて7コマ持つ。
これはね。結構、体力・気力を必要とする作業なのだ。
だからこそ。「伝えたい気持ち」を熱く持っていないと「疲労」という形で出てしまうのだと思う。

駒澤大学の場合には、1コマ30分を4コマ(途中の休憩は30分)&ミニ講演会だったので(私のパターンは)、身体的には全く問題を感じることがなかった。

喉は勿論、渇くけれど、対話の時間の充足感で満たされる。

前回は反省点ばかりが多くて、出来ることならもう一度…と思っていたので、今回の「Human Library」に呼んで頂けたことは良い機会だった。

自分以外の人間に対して「理解」を求めることは、無理な話だと承知している。
だからこそ。
「マイノリティ」である自分の特性を活かして(敢えて「特性」と言ってしまおう)、こうした場所を与えられ…「私達の病気」を少しでも「想像」して頂ければと思う。

今回、私を借りて下さった皆さんは熱心に話を聞いて下さって…。「本」として、感謝の気持ちで満たされた。

そして、嬉しい再会も
10月の「リビングライブラリー」でお世話になった、愛しき駒澤大学 坪井ゼミの面々が

継続して、LLの勉強を続けているんだね。明治の意見交換会まで参加して、熱心さが伝わってくる。



駒澤1



私は最初に経験した「リビングライブラリー」が、駒澤大学 坪井ゼミの彼らであったことを、最高に幸運だったと信じている。
気がおかしくなりそうに暑かった今年の夏。初めての打ち合わせで、私の重い電動車椅子を懸命に車に積み下ろししてくれた日のことを忘れない。

あの日が全ての始まりだった。

年甲斐もなくピースなんてしてしまって  よっぽど嬉しかったんだなぁ、私。

一つのことを一緒に作り上げた同士!の様なもの。
同士たち、この日はお世話になりました。

このエントリーは明日に続くよ




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2010/11/29 22:30 | リビング・ライブラリーCOMMENT(0)TRACKBACK(0)  TOP

とうとう来た…この日

それは、突然にやってきた。

イタタタタ 

昨日の夕食どき。
右、脇腹近くに差しこむ痛み。ああ、このことか…。
「胆石宣言」をして以来、初めて感じた、胆嚢(タンノウ)の痛み。

来るべき時が来たのかなぁ。
けれど、療養型医療施設に入院している父のことが気掛かりで…自分の手術のことなど考えられない。
我慢できない痛みではないし。まだ大丈夫。

…と、思っていたけれど。

今日は、二週間も前から予定していた、父の主治医との面談の日。
愚問とは知りながら、どうしても質問せずにはいられなくて。

「私の手術・入院中に、父に何かが起きることはありませんか」

そんなこと、神様にしか分からないということは…私はちゃんと知っている。

けれど、主治医の答えは私の予想外のものだった。

「痛みが出ても出なくても、それは手術をなさった方が良いと思います。13mmの大きさと言うのは、胆嚢に傷を付けてしまいます。そうすると、黄疸の症状が出て高熱が出ます。
この場合、熱が下がるまで手術は出来ませんしね。ご事情を考えても、出来れば12月。遅くとも1月いっぱいには手術をお受けになった方が良いでしょう」

主治医の話を聞きながら、次第に私は額に汗がにじむのを感じていた。

「いつか来る…日」は、「とうとう来た…この日」になった。



クロス




実は…。
こうして文章を書きながら…まだ、どこか他人事のような感覚の自分がいる。

けれど、父のために。自分のために。家族のために。

いよいよ来週、胆石のための相談のために…筋ジストロフィーの主治医の予約を入れなければ。

こうなると。「この世は全てお導きなのだなぁ」という思いに駆られる。
全ての出来ごとは、偶然ではなく、必然なのよね…。

とにかく痩せなくちゃ!
10年前のオペの時…脂肪が邪魔して、お腹の傷がくっつかない という、恐ろしいエピソードがあったんだもの。

あああ。ダイエットしながらのお正月は辛いわねぇ






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2010/11/27 00:30 | 胆石COMMENT(8)TRACKBACK(0)  TOP

NHK Webサイト 「ハートネットピープル」 本日 公開です☆

今回のテーマは、「筋ジストロフィーと全身麻酔」です。
筋ジストロフィーの患者さんに、参考にして頂ければと思います。


私ってね。

極端なほどに「夏に弱く、冬に強い」。ここのところの自分の動きで実感します。

夏の間、何も考えることが出来なかったのに、今は頭の中でカチカチと音を立てて計算が出来るようになりました。
暑さの中、玄関の外から一歩出ることが苦痛で…紫外線を浴びれば溶けてしまいそうで…これは大真面目に言っています。

はー。私。この夏を、よく生き延びたわ

そんな夏に起きた事件。今回の「ハートネットピープル」では、私の「胆石」について触れています。

皆、人のことはよく覚えているものですね
「秋が来たら手術するよー」と言っていた私。すると、「もう、秋になったよね!」と泣けるほど親切に言ってくれる友達が数人も!!!

そんなこんなで、重大なことを思い出しました。

さて、今月の 「ハートネットピープル」 は?  


 タイトル  


            

「ハートネット」11月号



ご多忙とは承知しておりますけれど、宜しければ是非!お目を通して頂ければ幸いです


 そして、更に宜しければ、「ハートネットピープル」にコメントをお寄せ下さると嬉しいです  





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2010/11/25 00:58 | ハートネットピープルCOMMENT(0)TRACKBACK(0)  TOP

シロ with 香川京子さん 朗読の会 Ⅱ

約束の時間よりも30分早くシロの自宅に着いた。ちょっと早過ぎたために、ドライブをしながら香川さんのお宅に向かう。
夫の緊張感は最高潮に達していた。彼の仕事は、主役二人を無事に会場にお届けして、お帰しすること。
私のそれは、夫以上であったと思う。その日の全てをスムーズに運ぶ陰のお手伝い。

シロはと言えば、車の後部座席で一人ゆったりと構えている。それは勿論、本日の主役ですもの。当たり前ね…。

時折、冗談を言い合いながら…それでも車は香川さんのご自宅に近付いた。

「お、ここだ。停まってくれ」

そう言って、車を降りたシロは、うやうやしく後部座席を開けてお迎えの準備をするのだけど…。
夫は「シロさん、ちょっと、ちょっと」と言いながら、慌てて右手を後ろに伸ばしてドアを閉め、向こうからやってくる自転車の青年に謝っていた。

そうよ。シロさん。ドアで道を塞いでは駄目よー。私もビックリしてしまったもの

そこへ香川京子さんがいらっしゃる。
「今日は宜しくお願い致します」
繊細な優しい声で仰った。

「こちらこそ、宜しくお願い致します。本日は、とても香川さんにお乗り頂けるような車ではないのですが、少しの間、我慢なさって下さいね」

「とんでもないわ。お迎えにいらして頂いて、有難う」

この一言で、私たち夫婦の緊張は一気に溶けた。
車中では、シロと香川さんが、ひとしきり映画「赤ひげ」のことなどをお話になっている。

この人が、日本の映画界を創ってきた人なんだなぁ…そう思うとどうにも感慨深い。


アルゼンチン共和国大使館には、入りの時間よりも30分早く到着した。
本当は、約束の時間にならなければ中に入ることは許されないのだけれど、そこはシロ。 流暢な英語で受付の人間と交渉をしている。その結果、入館が許可された


この日は冬の日の特有の、澄んだ渇いた空気だったのだけど、建物の陰に入ると寒く感じる気温だった。

私はこの日は杖歩行で、ゆっくりゆっくり、一歩前に進むのもやっとという状態で、まさか香川さんに私の速度に合わせて頂くことなんて出来る訳はない。

シロは勿論、香川さんを気遣って先に足を進めている。

「私などにお気遣いなく、どうか先にいらして下さい」

何度かそう繰り返したのだけど…。

「そんなことを仰らないで…。一緒に行きましょうよ。ねぇ?」

と、私の腕を支えて下さるのだ。私は恐縮してしまってシロに目をやると…「お言葉に甘えておけ」という合図。

それでは…と有難くご好意に甘えさせて頂いた。
この時に。強く思った瞬間だった。

香川さんは、大女優である前に…一人の素敵な女性なのだ…と、つくづく感じたのは。


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そして開演した、シロと香川さんの共演のひと時。

シロは今、バッハに酔心している。彼の師である「ユパンキ」を産んだ地、アルゼンチンの音楽と、バッハを融合させた曲を何曲も作曲している。


シロ6100



シロ 3



今回、シロが香川さんのために選んだ曲は「224章節、反復なし」という極めて困難な一曲であったそう。
「224章節、反復なし」…これをギターで演奏するということが、どれほど困難を極めるか。この曲と朗読が終わった後のシロの安堵感が、そのままこちらに伝わってくる。


シロ5



そして、拍手喝さいの内に無事にコンサートは幕を閉じた。
シロと香川さんには、心からの拍手を送った


★‥∵:*:☆*゚★。::*☆‥∵:*:☆*゚★。::*☆‥∵:*:☆*゚★::*☆‥∵:*:☆*゚★


終演後。シロと香川さん。(香川さんは、余りに美しくて…本当に見惚れてしまうのです)


二人



記念の一枚を撮って頂いて…。映画女優と私は並んで立ってはいけないのだと…。
そんな当たり前のことを、写真を眺めていて改めて思い知る


三人



シロのアルゼンチン風バッハは素晴らしかった

香川さんの朗読に触れて「本物に触れることの大切さ」を思い知らされた気がした。

私は、こういう機会に恵まれている。
こんな時、実は私って「幸せ者なんだなぁ」と思ったりする瞬間なのだ。


コンサート終了後、日本の財産 香川さんを無事にご自宅まで送りして任務は完了!
は~、後は、「普段に戻ったシロ」との会話。

「駄賃だ」と言って(ダチンって…。今の日本では、その日本語はもう…使わないよ )、三人でご飯を食べて解散となった。

シロちゃん、次回、帰国の際には、是非我が家にいらしてね。
今回は、都合が合わずにゴメンなさいよ~。

See you !



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2010/11/23 23:55 | 文化学院COMMENT(11)TRACKBACK(0)  TOP

シロ with 香川京子さん アルゼンチン大使館にて

11月16日。
もう随分、前からシロ・エル・アリエーロ(大竹史朗/文化学院の同期生)から何度も念を押されていた。

「いいか。11月16日だぞ。忘れるなよ」

忘れようにも、忘れられる訳がない。
この日、私は彼から「アルゼンチン共和国大使館」で行われる「Shiro EI Arriero with 香川京子さん」のコンサートのための、運転手役を仰せつかっていた。

私一人の運転では、絶対的に無理がある。日本の財産に何かが起きては一大事だもの。
夫に無理を言って、同行してもらうことにした。

16日を前に、シロ様から、細かいタイムスケジュール表が送られてくる。彼はニューヨークを拠点として活躍するギタリスト。  (…と、プロフィールには書いてある…)
2009年2月には、カーネギーホールでの公演を成功させている。

俳優を生業にするものだとばかり思っていたのだけど、彼は文化を卒業後、知らない間にニューヨークに渡っていた。そして、ギタリストとして時折、帰国するようになる。
その「帰国」(本人は「来日だ」と言っているけれど)は、今では一年に二度と、定期的になった。


★‥∵:*:☆*゚★。::*☆‥∵:*:☆*゚★。::*☆‥∵:*:☆*゚★::*☆‥∵:*:☆*゚★


これまで単独でのコンサートが多かったシロなのだけど、今回は、映画女優 香川京子さんとご一緒すると言う。彼のギターと、香川さんの朗読との共演ということだった。

その企画を聞かされたのは、もう数年も前のことのように思う。彼は「夢を実現する力」を持っている。
今回の香川さんの朗読をお聞きして、私は鳥肌が立つのを感じながらそう感じた。



会場



シロ1



シロ2



私は勿論、香川京子さんには初めてお会いする。
鳥肌の立つほど感動させられる「朗読」の力の理由は、ご挨拶をして程なく理解した。
穏やかで、とっても優しい気遣いをされる方なのだ。

今回、香川さんをお送りするには、余りにも貧相な車であると何度もシロには話したのだけど。

「香川さんは、そんなことに文句を言うような人ではない」

それは、アナタはそう言うでしょうけどさ…。私としては気が引ける。
けれど、実際にお会いしたその数分後、そんな心配はいらぬことだと私にも分かった。

その優しさには、その日、まだ驚かされることになる。

「大女優」である前に、一人の女性だということは…当たり前のようで…実は当たり前ではないと思うのだ。

- 続 -
  


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2010/11/19 23:00 | 文化学院COMMENT(0)TRACKBACK(0)  TOP

RENT - 熱い涙 -

13日。土曜日。私たち夫婦は日比谷通りで車を停めた。車を降りて向かったのは、シアター クリエ。

私にとっては、昔懐かしい「芸術座」のあった場所。
芸術座が取り壊されて「シアター クリエ」に生まれ変わった。

思い出の沢山、詰まった芸術座。新しい劇場に建て替えになると聞いた時は、何だか寂しい気持ちがした。

そんな思いで向かった日比谷だったのだけど。けれど、センチメンタルな思いは、すぐに消えた。

楽屋に差し入れを届けに行く。
ドアを開けると、昔あった、芸術座の神棚はそのままで、私は懐かしくて…思わず手を合わせた。友達が芸術座に出演する時には、楽屋にお邪魔して樽酒を振る舞って貰ったりしていたから。

そんな、忘れ去っていた「記憶」が頭の中でクルクルと巡る。



RENT RE



「RENT」は、熱い舞台だった。
NHK教育「ハートをつなごう」の、ソニンちゃんのドキュメンタリーを繰り返し見ていたせいで、この作品を観るのは何度目かのような錯覚を起こす。

けれど、役者たちが動き出した瞬間に、私はNHKのドキュメンタリーではなくて、熱い「RENT」の世界を生きる「人間」たちに夢中になった。

一部で。
ソニンちゃんの「出」の場面で、身体中が熱くなる。歌声に圧倒されて、シビレる。

二部で。
ソニンちゃんが歌う度に涙が溢れる。何度も泣いてしまうので、終演後のメイク直しに手がかかった。

久し振りに胸が熱くなった舞台。絶望の中に居ても、やっぱり諦めないで生きなくては。光を探して生きなくては。そのメッセージが胸を熱くする。



RENT NT



この日は、劇場の案内の係の方のサービスにもとても、心が癒される。
杖をついている私たち夫婦に対して。

「お客様、こちらの劇場は段差の多い造りとなっております。宜しければ、段差のないルートでご案内も出来ますけれど如何致しましょうか?」

勿論、有難くエレベーターで案内をして頂いた。

そして、これまで、どの劇場でも受けたことの無い心遣い。

「ご飲食でお入り用のものがございましたら、買って参ります」

はじめは、とても驚いたけれど、この親切は素直に受けることにした。
サンドウィッチとウーロン茶。とても優しい味がする。

休憩中には「化粧室のご利用はございますか」とのお気遣い。そして、プログラムも買ってきて下さる。

舞台の幕が降りた後は、席に着いた時と同様に係の方が案内をして下さった。

座席でブランケットを配っているのも、とても印象的だった。

「RENT」はHIV、エイズ、ドラッグ、同性愛などテーマは明るいものではないのだけれど、それでも終演後、希望を感じて、力強い気持ちで満たされるのは、こうした劇場スタッフの心遣いもあるのだと感じて有難かった。

この作品に出会えて幸せだった。


- 生きる事を諦めてはいけない -




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2010/11/14 11:30 | 映画・舞台のことCOMMENT(10)TRACKBACK(0)  TOP

アツアツのサクサク

あああああああ。

とうとう。とうとう、禁断の「サクサク」を口にしてしまった昨日。

6月の「胆石発見」以来、「天ぷら」だけは、何があっても口にしないできた私。
それは、ある日、掛かり付けの病院の、消化器の看護師とすれ違った時、「天ぷらは、衣をはがして食べて下さいね」と言われ…絶句したから。

オイオイ、だったら最初から「天ぷら」は頼みませんよ

6月以降、自分のことどころではなく…気付けば延び延びになっている「胆石の手術」…。
「油もの」は本当に良くない…と、色々な方からお聞きするので、とにかく口にしなかったのです。

なのに…。それなのに…。


昨夜は、お友達の検査入院 前夜の祝賀会   (…の、ような集まり)で、和食のコースをお願いしたら、まさかまさかの「天ぷら」が!私の目の前に置かれました。

この海老の香ばしい香は、私を誘っている…。とうとう我慢の出来なくなった私は、「海老だけ食べて良い?」…そして「後、お茄子だけ食べて良い?」…と、一つ一つ確認しながら、結局出された天ぷらを、全て頂いてしまいました

「死にはしないよ」という主人の声を、ちょっぴり恨めし気に聞きながら。



Motoko Alexander  和食

PHOTO ST  by Motoko Alexander


けれど 「食べちゃ駄目」 と、言われるものほど美味しく感じるものですね。

今でもまだ、あの「サクサクッ」という感触が残っています。禁断の「サクサク」…

うーん。手術さえすれば、山のように「天ぷら」が食べられるのにね


取り敢えず…。今夜は「天ぷら」の夢を見ようと思います。


  あああ。胆石の手術に踏み切れないわ…。何とかしなくちゃ!


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2010/11/12 00:31 | 病気のことCOMMENT(3)TRACKBACK(0)  TOP

今夜は寝かせて…

6月過ぎから、父の転院のことで…いつも溜め息ばかり…ついていた私。
時には涙がこぼれてしまって、家の中でも魂が抜けたような状態でした。

そんな時。
これまで、さほど仲良しという訳でもなかったショコラ が、ある夜、ふと、添い寝をしてくれました。
気配を察したのでしょうか。
これまでに、一度もなかったこと。本当にビックリしました。

彼女は、確実に自分を「人間」だと思っているので…「愛しのマーチンは私のものよ」と、いつも私にキツイ視線を浴びせます

猫って本当に、不思議な動物。
「人間」の心が分かるのですね。いつもは尻尾をピンと立てて、フン!という感じで私の横をすれ違って行くショコラだったのに、ベッドで私が泣いているある日。そっとベッドの横で添い寝をしてくれます。
その時、心がホワッと和らいでいくのが分かりました。温かい。
優しく包んでくれる気持ちがほんわりとします  

コナちゃん  も、反対側で一緒に添い寝をしてくれます。
涙がこぼれました。有難うね。こんな情けない私だけれど、こうして気持ちを察してくれるのね。

その日から、私たちはやーっと「家族」になることが出来た気がします



コナ 寝顔



IMG_5734.jpg



だけれどね。

お願いよー。二人で夜な夜な、私のベッドを占領するのは止めて頂戴よー。

秋の気配を感じた頃は、コナちゃんの体温が温かくて、手放せなくなったわよ。
けれどね。私に心を開いてくれたことは嬉しいのだけど、私の枕で眠るのは…止めてもらえないかな。ショコラちゃん。
あなた、いくら、どかそうとしても、頑として動こうとしないでしょ

今。
枕にショコラ。右脇腹の辺りにコナちゃんが、眠っています。

私は無意識の内にも彼女たちの眠りの邪魔をしてはならないと、S字カーブの姿勢で寝ています。

そのせいか、眠りが浅いのよね  
どうかすると、起きてから、頭がガンガンするもの。これは、やっぱりオカシナ姿勢で寝ているせいだと思うのよ。

だからね。
ショコちゃんは、大好きで仕方のないマーチンのところに行ったらどうかな。いくらマーチンが寝相が悪くて度々蹴られるのだとしても

我が家の「ニャンズ」の眠る場所。
ちゃんと決めないと…私、慢性寝不足になってしまうわ

でもね。仲良くなって…こうして一緒に眠る日が来るなんて。

想像もしていなかったらから。
新鮮な驚きと…そして幸福感よ

有難う。いつも一緒に居てくれて。


二匹 寝顔



あなた達には本当に癒される。

だから。私を今夜から、ぐっすり眠らせて

私のベッドは、「定員お一人様」ですよー。




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2010/11/10 07:00 | ペットのことCOMMENT(8)TRACKBACK(0)  TOP

ようやく、やっと。やっと。

またまた、更新に随分と間が空いてしまいました。


★‥∵:*:☆*゚★。::*☆‥∵:*:☆*゚★。::*☆‥∵:*:☆*゚★::*☆‥∵:*:☆*゚★


10月26日の金曜日。
いよいよ父は、「終末期」医療の病院に転院となりました。

昨年の12月10日。モルディブのカヌフラで倒れて以来の入院生活です。

何度、耳にしても馴染めない「終末期」という言葉。

だけれど、今回「終の棲家」として選んだ「医療型療養施設」のK病院は、その理念と院内の明るさと、丁寧な医師とスタッフによるカンファレンス…そして、現場の皆さんの気持ちの充分伝わる「空気」があって、私の気持ちも段々と溶けていくのが分かります。

転院前のリハビリ病院では、父よりも…家族よりも、誰よりも。
私の動揺が激しくて。
ベッドにただ、寝かされたままの父の姿を見ることが切なくて。

まだお喋りをすることが出来て、意思の疎通が取れる父を、(半永久的に)小さなベッドに、ただ寝かせておくことに耐えることが出来ませんでした。

見て居られない。辛い。苦しい。このままでは、私の精神が参ってしまいそうでした。


そんな時に言ってくれた友達の言葉

「奈津はいつも、笑っていなくちゃいけないんだよ。お父さんはね、娘が自分のせいで悲しい思いをしているんだと思ったら、辛くなってしまうでしょう。
お父さんに辛いを思いをさせたくなかったら、奈津はお父さんの側で笑顔でいなくちゃ」

このアドバイスを、はじめから受け止める事が出来た訳ではありません。
けれどね。
私が、父のことを心配で…心配で…心も暗く病室に足を運ぶ時には、確かに父は眉間に皺を寄せているのです。

それが、ある日。「そうだ。父の前では、笑顔でいよう」と心底思えた日があったのです。

そうしたら。
父の眉間から、この日は皺が消えていました。本当に本当に驚きました。

私の出来る親孝行は「笑顔でいること」。


★‥∵:*:☆*゚★。::*☆‥∵:*:☆*゚★。::*☆‥∵:*:☆*゚★::*☆‥∵:*:☆*゚★


あの日の空は青かったね。

海



それが旅行の最終日、突然倒れてエアタクシーで首都のマーレに搬送されて。ずっとICUに居たんだよね。
この写真は寝ているけれど、寝てばかりもいられなかったね
インド人のスタッフと懸命に英語で話していたのを、思い出したわ。

病室jpg



そして、年末、とうとうストレッチャーで飛行機に乗って帰る事になったね。
こんなに日焼けしている病人は、なかなか居ないよ

ストレッチャー



日本から医師と看護師も派遣されて、大がかりな搬送だったよ。
帰国出来ただけでも、奇跡のように思えたね。


いつも思い出そう。懐かしい、父と最後に旅したモルディブを。


水上コテージ



私の出来る親孝行は「笑顔でいること」。


この日をきっかけに、私は随分と強くなったと思います。
父のことを誰かと話す時、思わず涙していたものが…最近では泣かなくなりました。

自分で「乗り越えた」と、ハッキリそう思います。

それは、今の病院に出会えたから。

最初に病院を見学に行った時に、ソーシャルワーカーさんが仰ったのです。

「こちらでは、『人間らしく生きること』を一番に考えて患者様に接しています」

老いても尚、人間らしく生きること。
生かそうとして下さる場所があるのは、素晴らしいこと。

今回の「戦い」は長く、苦しいものだったけれど、「願えば叶う」という言葉を久し振りに心に思い浮かべた、ここ最近でした。

今は思います。諦めないで良かった。


これからは、私の大好きな「新撰組の土方歳三」出生の地にあるK病院に、出来る限り父に会いに行こうと思います。





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2010/11/07 23:55 | 父のことCOMMENT(9)TRACKBACK(0)  TOP

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