世界一、悪運の強い男

私は本気で思っている。

父のことを。「世界一、悪運の強い男」だと。

今日は朝、何故だか5時過ぎに目が覚めて、私は5:30から一時間ほど庭の手入れをした。早朝の草むしりは爽快だ。夜になって始めるよりも、ずっと気持ちが良い。

けれど、一仕事を終えた私は結局、リビングに戻ると眠くなってしまった。

電話のベルで起こされる。
いつもお世話になっている、訪問看護センターの看護師さんの声だった。

「本当に、本当に急なことなんですけど…」

この言葉の後に、良いニュースが続くとは思わなかった。彼女の声は緊迫していたから。

「お父様が、肺炎で緊急入院されたんです」

やっぱり。
私は従姉妹に言われて、出来る限り、一日に一度、独り暮らしの父に電話をしている。
昨夜は電話に出なかった。少しだけ、嫌な予感がした。

その後、夜、遅くになって、私は目がくるりんと回り、不思議な目まいを起こしたから。


bukubuku.jpg

by toyou

父のところには、週に7日、誰かしらが看護、或いはヘルパーとして見て頂けるようにお願いしている。

たまたま今日は、朝の早い時間の訪問看護だったのだ。
いつも親身になって下さる看護師さんは、すぐに父の異変に気付いた。

肩でゼエゼエと息をし、調べると、酸素濃度が80という低い数値であったと仰った。
そのまま病院に連れて行って頂いて、いつもの「受診→即刻入院」のパターン。

父は、自分の身体に自信があるのだ。何の根拠もない自信。
自信など、あってはならない父なのに。

「一人だったら」

そう思うとゾッとする。

今日が、看護師訪問の日では無かったら?夕方遅くの訪問であったら?この悪運の強さ。

見舞いに行った私達夫婦の顔を見て、父は言った。

「あれ?どうして分かった?」

アホか!と叫びたかったけれど、そんな呑気な父の顔を見て…何も言えなくなった。

これまで何度、偶然の命拾いをしていることか。自由に、思うように生きてきた父が。
今や、「生きていること」さえ、奇跡だと思うようになった。

夜になって、熱も上がってきた父は不機嫌な顔をして私を睨む。
まぁまぁ、睨む元気があるならイイでしょう。

私は確信する。
父は「世界一、悪運の強い男」なのだ。


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2009/06/30 04:30 | 父のことCOMMENT(8)TRACKBACK(0)  TOP

六日目 - ルームキー -

ガチャン。

激しい音を立てて、ドアは閉まった。

「鍵ー!!!」

叫んでも事態は変わらない。途方に暮れる二人。

昼間はコーラルガーデンに探検に出掛け、夕食は子羊数本に、海老が7個。
身体に力が入らない。

レセプションに行けば良いのは理解している。
けれど、私達はくたくたなのだ。

夫はコテージのドアを出て、暗がりの中にポツンポツンと等間隔に光るオレンジ色の灯りを頼りに、ハウスキーピングの姿を探している。

「無理だってー。こんなタイミングで人が通ったら奇跡だよー」



夜



仕方がないので、どうにか二人でレセプションに行くことにした。
私は車椅子に乗る。
夫はもう、ヤケになっている。下肢障害の夫が、この時は全速力で走りだした。車椅子の背中を押しながら。

夫は「走ること」は出来ないのだけれど、その時の私は頬に風を受けた。確かに。そのくらい、彼は必死で足を動かさなければ、動くことも出来なかったのだと思う。

レセプションに着いた。
夫は顔を真っ赤にして、ハアハアと胸で息をしている。

「イヤオラナー」(こんばんは)

「あの…部屋に鍵を残したまま…ドアが閉まっちゃって…」

「まあ!じゃ、今日は外で寝ないとね ウインク絵文字名を入力してください

彼女の言葉に、その場に居合わせた人達が笑った。
私達も可笑しくなって、一緒に笑った。

「それは嫌よ。お願い!キーを貸して」
「オーケー」

首を左右に振りながら、彼女は答える。このウィットに富んだ会話のお陰で、愉快になった。
そうして、私達は見事にルームキーを手に入れた。


三日目3



よく聞く、海外旅行の失敗談。
こんなにオーソドックスで、滑稽な失敗をするなんて…どうかしている。
やっぱり、強い陽射しと空腹のせいだ。

部屋に無事に戻ることが出来て、ホッとしていた。聞こえるノックの音!テレナだ!

テレナに、さっき起きた「事件」の事を話す。彼女は大笑いをしている。
テレナの仕事が終わると、恒例の「日本語教室」が始まる。

勉強熱心な彼女は、いつも「日本語を勉強するためのノートとペン」を持っている。

「How are you?って、日本語で何て言うの?」

ん?

「ご機嫌如何?…意味は…んー、ご機嫌如何?だけど、日本では使わないなぁ。何て言ったらいいんだろう」

しばらく私が首をひねっていると、テレナは、
「いいの。分かったわ」
そう言って、時間を惜しむように次々と私に質問を浴びせる。

日本語の難しさを、つくづくと彼女に教えられた。

「日本に帰ったら、私も英語の勉強をするわ。テレナの為にね」

そう言うと、彼女は明るく笑った。私の手を握りしめて「有難う」と言ってくれた。
まだまだ、彼女に教えるべき日本語は沢山ある。


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2009/06/29 01:54 | 旅行のことCOMMENT(8)TRACKBACK(0)  TOP

会、始動!

今日は夕方から、「Natsu's Heart」を共同運営する奈緒ちゃんと打ち合わせ。

記念すべき、第一回打ち合わせです。

詳細は、奈緒ちゃんのblogをご覧下さい。

奈緒ちゃんとはお喋りしたいことが沢山!でもね、決めなくてはいけないことも一杯あるので…。
脱線しつつも、大分固まりました くり抜きハート1

先ずは「Natsu's Heart」という会の名前を、もっと分かり易くします。
女性のための「筋疾患の会」であると、誰にでも理解してもらえるように。



ブーケ

by Motoko Alexander


そうして、何よりモットーは。

「敷居が高くなく、誰でも気軽に集まることの出来る場所」

只でさえ情報の少ない「女性・筋疾患の患者さん」たち。
一人で悩みを抱えずに、ざっくばらんに色んなことを話せる場所。

私は奈緒ちゃんに出会うまで、自分の病気が恐くてたまりませんでした。

どんな風に進行するのか。
いつまで、自分の足で歩くことが出来るのか。
手足の自由は、いつまできくのか。

見ないように、見ないようにして来ました。

そんな私を大きく変えてくれたのが、奈緒ちゃんとの出会いです。

現実を見つめてみようと…思いました。

もし、一人で悩んでいる筋疾患の方がいらしたら…。
「会」の姿が見えて来ました。
当面、会費は頂きません。

これまで、筋ジストロフィーの女性の患者さんと、この病気について話すことは殆どありませんでした。
けれど、今日の楽しかった時間 絵文字名を入力してください

筋ジストロフィーの患者同士だからこそ。
患者にしか分からない疑問、問題点、悩みなど。

奈緒ちゃんと一緒に話した時間は、一瞬のように感じました。

近い内に、「会」の名前も発表出来ます。

最初の一歩を、確実に踏み出しました。


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2009/06/28 03:22 | Natsu's HeartCOMMENT(12)TRACKBACK(0)  TOP

六日目 - 夕食のお値段 -

今日はもう、充分過ぎるほどに遊んだ。

バニラレストランには、二度と顔を出せない。あんな失態を犯したのだもの。

「今日の夕食はルームサービスを取ろう」

夫が言う。

「そうだね、私もくたくた。良いアイディア!」

二人でルームサービスのメニューを睨む。
この様子は、決して「見る」ではないだろう。

そこには「日本語表記」とフランス語が並べて書かれていた。

例えば、このように。

ムニエル
meuniere

サケや舌平目などの魚に小麦粉をまぶして、バターで焼き上げた料理のことです。


ムニエルは理解出来る。けれど、その下の文字は何と発音すれば良いのだろう。
メウニエラ? メウンイエラ?

この時、私の小さな脳みそは、発想力も乏しかった。南国の陽射しに、頭もやられてしまったみたいだ。

もー!読めない!夫の自慢の電子辞書も役に立たない。

夫は「子羊」が食べたかった。「子羊の何とか…」
何とかはもう忘れてしまった。

私には、どう読んでも「コッテス アグネア」にしか読めない。

私は海老の料理が食べたかった。

どうにでもなれ!とルームサービスの内線に電話をした。

「こんばんは。料理をお願いしたいのだけど、発音が分からないの。コッテス…コッテス…」
そう繰り返す私に、電話の向こうでは「ジャポネ」という声が聞こえて、愛想の良い男性の声に変わる。

何度か、単語の発音を繰り返している内にようやく理解してくれた。

「コッテス アグネア」としか読めなかった単語は「コート アニョー(agneau)」と発音する。

海老の時にも相当な苦労をした。

オーダーが無事に済んで、私は乾いた喉をビールで潤す。ホッと一息ついた。

しばらくしてノックの音!それは楽しみで、ワクワクする。だって、あれだけ苦労をしてオーダーした料理だもの。

だけれど、目の前に置かれた料理に呆然とする。


夕食2

(お値段、4900円)


分からない。たった数本の子羊。山のようなポテトフライ。これが、4900円 絵文字名を入力してください

もう一つの料理。


夕食1
(お値段、3500円)


料理を前に面食らう私を見て、夫は大きな声で笑っている。涙を流して。
私、全然、可笑しくないのだけど… 涙


この仔羊と、海老の大きさは、付け合わせのポテトときゅうりから想像して欲しい。

「腹の足しにもならん」って、今、使うべき言葉だわ。 

いつも料理に必ず添えられているフランスパン。これをいつも、ビーチでの魚の餌にしていた。
けれど、今夜ばかりは人間が食す。ああ、有難い。
パンがあって良かった。

後はミネラルウォーターで、お腹を満たす。

帰国して分かったことだけれど、ル・タハア・アイランドリゾート&スパは、日本の帝国ホテルなのだ。多分。コーヒー一杯で900円。税抜き価格。

この島では何をするのも冒険だ。スリルに満ちている。

三口で済んでしまう夕食を終えて、星空を見るためにバルコニーに出た。

ガチャン!

やってしまった。ルームキーは部屋の中にある。
押しても引いても、部屋の窓が開くことはない。

星空の下、夫は笑ってはいなかった。

「もう、疲れたよ」

私だって、もう疲れたわ。


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2009/06/27 02:28 | 旅行のことCOMMENT(6)TRACKBACK(0)  TOP

六日目 - ブルーシェル-

時計を見ると13:00を少し過ぎた頃だった。陽射しは強さを増していく。

セシルとマリウスと一緒にコーラルガーデンに行ってみようと思った気まぐれは、最高の時間をくれた。
私達夫婦だけでは、いつものビーチの指定席で読書をしたり、昼寝をしたり、魚にパンをやったりして過ごすことしか思いつかない。

声を掛けられて、フランス人の親子と一緒に砂浜を歩くうちに愉快な気分になってきた。
この笑顔。天使のよう。



マリウス




補助具を着けていない私の足元はおぼつかない。セシルと夫が両脇から支えてくれる。素足に感じる砂の感触が気持ちいい。
10分は歩いていないと思う。又、あの深い緑色の景色に出会った。
緑の色は、「人間はここには入ってはいけないよ」と言っているように感じる。



コーラルガーデン2



この小さな水溜りのような、海水の通り道にバシャバシャ入る。
そうすると、あのメリーに出会ったコーラルガーデンに着いた。今日は一緒に話しながら歩く友達が居るので、最初に歩いた時よりも距離が短かったような気がした。

夫は海の中を歩きだす。


コーラルガーデン1



そうすると、一昨日出会ったあの犬が、一目散に走ってきた。
私は、生まれて初めての「犬の友達」に大きな声で叫んだ。

「メリー!会いたかったわ コーギー?

セシルが笑った。
「この犬はメリーじゃないわ。ジョンって言うのよ」


犬



「そんな!私はこの前この犬に出会った時、名前はメリーって決めたの。ね!メリー!」

マリウスが遠慮がちな声で言った。

「ジョン…」

私は小さな衝撃を受けた。この犬の名前が「メリー」であろうと「ジョン」であろうと、どうでも良いことなのに。よく分からないけれど、きっと初めての犬の友達だったから。おかしな確信をしていたのだ。

マリウスは、自分の名前が刻まれたボードを持って勇敢に海に探検に出掛けた。虫採り用の網を持って。この網で、美しい魚たちを生け捕りにするつもりだ。


ボード



素敵な親子。フランスの雑誌の1ページのよう。


セシルとマリウス1



透き通る波打ち際でしゃがみ込む私達に、セシルは「こっちへ来て」と手招きをする。
腰の辺りまで水の中に入っていくと、薄いコバルトブルーの中に宝石のような珊瑚と貝の塊があった。



色

(波打ち際)


「わぁ…」
言葉を失う。

珊瑚にピッタリ身を寄せる白い貝は、口を開けると鮮やかなブルーを覗かせる。こんな色の生き物、見たことがない!
波に揺られる私に、セシルは椅子を用意してくれた。有難う、素敵な気遣いに感謝するわ。

夫は丁重にお断りしたのだけど、セシルの親切を断り切れなかった。
海の中で椅子に座っていると、意外な力で波に身体を揺すられる。夫から、もう何度も聞く言葉。

「う、気持ち悪くなってきた」

けれど夫も、波の揺れよりブルーシェルの美しさに、強く惹かれた様子だった。
二人で珊瑚を覗きこむ。時間を忘れてしまった。

色に酔った時間は、瞬く間に過ぎた。
強い陽射しは、影を薄くしている。フランス人の親子は、「もう戻りましょう」と言う。

そうね。思いがけない時間を有難う。アナタたちと、ここでブルーシェルを見ることが出来て、本当に幸せだった。

最後に、何度目かの記念撮影。夫とマリウス。


マリウス1



マリウスはセシルに促されて、何度も私の頬にキスしてくれた。天使の口づけ。

分かれ際、マリウスは照れたように私達に両手を差し出した。手にはいっぱいの白い貝殻。
何て素敵なプレゼント。

私達は、セシルとマリウスと、ジョンと珊瑚。ブルーシェルを決して忘れない。


IMG_2012.jpg



さぁ、私達も部屋に戻ろう。


夕陽



明日もきっと晴れる。


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2009/06/26 02:55 | 旅行のことCOMMENT(6)TRACKBACK(0)  TOP

仲良し

一人より二人。


一人2

一人1

二人で仲良しがイイね はぁと



二人



うーんと、仲良しさんがイイね はぁと



二人2



私もベッドの端っこに…寝てもイイかしら?

おやすみニャ 絵文字名を入力してください


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2009/06/25 02:29 | ペットのことCOMMENT(7)TRACKBACK(0)  TOP

六日目 - セシルとマリウス -

ル・タハア・アイランド。この島で、六日目の朝を迎える。
段々と切なさがこみ上げる。
朝のバルコニーは、いつも明るい陽射しに照らされて、辺りは陽気な南国なのに。

後、何日、どの位の時間、ここに居ることが出来る?そう思うと切なさは増してゆく。
時間は永遠ではない。
分かっている。けれど、この島をとても気に入った私達は、島を発つ日が来なければいいと思った。ずっと。

今朝のオムレツの中身はハムをオーダーする。昨夜のこともあるので、ソーセージとベーコンを見るとむせる気がした。



6日目1



オムレツだけのオーダーは大正解だった。卵の味があっさりとしていて美味しい。
ハムサラダのトマトは、一緒に口に頬張ると、酸味が活きる。

この朝食も、後二日。心に残るブレックファーストタイムを味わなければ。

私、公認。世界一のオレンジジュースの甘さも。


6日目2

6.jpg

この日も、ビーチへ。
「何もしない休日」を過ごす為にこの島に来た私達の仕事。それがビーチに出ること。

ビーチまでを誘導するコンクリートの道に、ヤシの葉の跡が模様として刻まれている。ようやく気付いた。
このさり気ないセンスが、ル・タハア・アイランドリゾート&スパの全てを語っている。



6日目4



6日目5



今日を入れて、三日間しかこの島で過ごす時間がないと思うと、目に入る全ての物を記憶に残そうと思う。
お馴染みの自転車。


6日目3



これも仕事用の自転車。


6日目6



無駄な物は何もないと感じさせる。
花の赤が鮮やかだ。


6日目7



いつもの場所に。


6日目8




ビーチで夫は昼寝をする。
私は本を読む。小説「美丘」は佳境なのだ。必死で文字を追う。
読書に夢中になっていると、声を掛けられた。

意外な人。
黒真珠ブティックのセシル。



セシル



そして、5歳の息子、マリウス。


マリウス



私はあの日以来、セシルに会いに黒真珠のブティックに行っていない。その事が、彼女から声を掛けられた瞬間、気遅れさせる。
けれど、セシルは「そんなこと、全く気にしていないわ」と笑顔で言っているように感じた。

「まぁ!又、会ったわね。この子はマリウス。私の息子なの。5歳よ」
「わぁ。可愛い!ブロンドなのね。綺麗な髪だわ」

「ねぇ、せっかくだから、一緒にコーラルガーデンに行きましょう」
「そうね…でも、私達、足が悪いの。ここに居るわ。ここでも充分楽しめるし」

「大丈夫!私だって、昔、一年間、車椅子で過ごしたことがあったのよ」

セシルはウインクをしてみせる。

これは行くしかなさそうだ。
ほんの少し、面倒臭い…と思った。
だけれど、マリウスの笑顔に惹きつけられた。

フランス人の親子と時間を過ごすなんて、滅多にある機会ではないもの。

夫と二人、重い腰をあげて立ち上がった。


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2009/06/23 06:04 | 旅行のことCOMMENT(8)TRACKBACK(0)  TOP

「Natsu's Heart」 経過報告(女性限定筋ジストロフィーの会)

女性限定、筋ジストロフィーの会(或いは「筋疾患の会」)である 「Natsu's Heart」 は、企画から半年が経ちました。

ここで、経過報告です。

只今、会員さんは10名です。
色々な方の「筋ジストロフィー」或いは「筋疾患」の方が居ます。

現在、メンバーリストを作成中。

来週、会の概要を共同運営者のNちゃんと大筋で決めます。

会の規定・運営方法・進め方など。

やっとやっと…形になりつつあります。

もう「夢」ではありません。

いづれ…会の名前はもっと分かり易いものに変えるつもりです。

動き出しました。

皆さん、仰います。

「私は一人じゃないんだ」って。

筋ジストロフィーは、人には理解されにくく、自分でも病気の進行に戸惑ってしまいます。



Natsus--Heart.jpg




いつ、杖を使うようにすれば良いのか。
いつ、車椅子を作れば良いのか。

自分の身体なのに、どうして言うことを聞かないのか。
現代の医学をもって、尚、どうして未だ治療薬が開発されないのか。

女性の筋ジストロフィーの数は、男性に比べると少ないのです。
それが原因で、一人…孤独に不安になってしまう現状があります。

でも、貴女は一人ではありません。
ここに、情報交換出来る「場所」があります。

「Natsu's Heart」…ここには貴女と同じ病気を病んでいる人たちが居ます。

「病気」のことを除けば、皆さん、至って明るく前向きで…どれだけ優しい人たちであるか。

入会は随時、受付けております。

詳しくは、blog右側の「メールフォーム」よりご連絡下さい。
お気軽にどうぞ。

一人で悩まないで。
貴女は一人ではありません。


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2009/06/22 22:30 | 筋ジストロフィーCOMMENT(14)TRACKBACK(0)  TOP

五日目 - ポリネシアンダンスショー -

今朝はどうしてだか、早くに目が覚める。時計に目をやると、5:30だ。
ベッドから出るには早い気がした。
けれど、ベッドの中でじっとしているのは一時間が限界だった。

早朝の南の島の空気を肌で感じたい。

そう思った私は、一人でベッドを抜け出してガラス戸をあけ、バルコニーに出てみた。
まだ太陽は姿を見せない。灰色の空。


5日目1



空気も少し、ひんやりと感じる。まだ、旅人たちは眠っている。
陽射しがなければ、海も輝くことは出来ない。


5日目2



太陽が顔を出す。雲に隠れて遠慮がちに。


5日目3



ようやく辺りは、朝の気配になった。
一人でバルコニーに居るのも、何となく寂しくなる。


5日目4



暗い雲は、ゆっくりと風に流される。夫も起きてきた。
嬉しくなった私は、又、空に足を投げ出してみる。


5日目5



バルコニーでの朝食を済ませて、ビーチに出発。
今日は本当に穏やかで、ゆっくりとした静かな時間。

何もしない…贅沢な時間。


5日目9



指定席に落ち着いて、花を撮る。


5日目6



日本では、「ニノジュース」でお馴染みの、ニノ。美容と健康にどうぞ。


5日目7



私が夫を撮り、私は自分で自分を撮る。


マーチン

Natsu_20090621220651.jpg

ビーチベッドに寝転びながら…カメラを空に向ける。


5日目10



この空は、世界中に繋がっている。

部屋から持ってきたパンを、いつもの魚たちにやる。これが私達の、ビーチの一日の締め括りの仕事。
さぁ、今日も陽が暮れるね。部屋に戻ろう。


帰り道



今日も疲れたね。夕食はルームサービスで済ませよう。
二人でそう話していた。

すると、ノックの音。
「イヤオラナー」

テレナだ!笑顔で迎える。
そして、手には「レジェンド」のベージュの厚紙を持っていた。

「ちょっと貸して」

テレナは何も気に留める様子はない。はじめの二日間、レジェンドを持って来た女性とは、その厚紙に対する様子が全く違う。何故?

「ね、テレナ。この『レジェンド』って何なの?何か意味があるの?」
「ああ、これね。このベッドの上に置いておくわ」

そう言って彼女は、夜のベッドメイキングを始めた。このホテルは、朝と夜の二回、ベッドを直してくれる。

「ね、だから、そのレジェンドなんだけど…」

そう言い掛けたのだけど、いつの間にかテレナとの「日本語教室」になってしまっていた。

「そうだわ!今日、ポリネシアンダンスショーがバニラレストランであるのよ。行かないの?」

もう昼間の日焼けでくたびれてしまって、本当はそんな元気はなかった。だけれど、珍しく夫が「見てみたい」と言う。

「じゃ、急がないと!」

ショーは19:00から始まる。慌てて部屋を出る。海から帰って、シャワーを浴びたままの、決してお洒落とはいえない格好で。

結局、テレナが『レジェンド』に対する私達の執着に気付かないので、この日も又、そのままになってしまった。

長い桟橋を、夫に車椅子の背を押してもらってバニラレストランに着く。

レストランのテーブルに着いた瞬間、夫は隣のテーブルのフランス人の女性のつける香水にやられてしまった。

また聞く、あの台詞。

「ねぇ、僕、吐きそうだよ。気持悪い。目も回ってきた」


…………………。


私に言う言葉は何もない。

車椅子で店に入った私達を気遣って、店のウエイターは、アラカルトではなくブッフェスタイルのコースを選んでくれたようだった。二人のテーブルには、カラフルな食材の、様々な種類の料理が並べられた。

夫は、その料理の香りにもやられている。

「ゴメン…本当にゴメン。Natsu、食べられるだけ食べて」

三日も食事をしていない訳じゃないのよ。こんなに食べられるはずが無い。
そこへ、さっきウエイターに曖昧に返事をしていた夫のリクエストが運ばれてきた。

「こちら、ミディアムレアのお肉でございます」


…………………。


今度は二人で無言。

ああ、全く!何ということ。

私達は、ポリネシアンダンスを堪能することなく…夫は吐き気を抑えるのに必死で、二人の間には「疲労」の色しかなかった。

お肉は手を付ける前に、「He is sick. Sorry」と言い、他の料理も殆ど残してしまったことを詫びた。

せっかくのバニラレストランの滞在時間はどれ位だったろう。きっと30分も居なかったはずだ。

部屋に戻る帰り道。
二人が無言であったのは、仕方のないことだ。

この日は星空を見上げることもせずにベッドに入った。
レジェンドの厚紙を雑に放り投げて。


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2009/06/21 16:48 | 旅行のことCOMMENT(6)TRACKBACK(0)  TOP

Cat Theater

苦し紛れではありません。

レジェンドのオチに詰まって、弱気になっている訳でもありません 苦笑

我が家のショコラが、あんまり可愛いので、本日はCat Theater(猫劇場)です。


夫と一緒に何かを勉強中のショコラ。


ショコラ1



ショコラ2



もう、飽きたー。


ショコラ3



ねー、ご主人様。お勉強はもう止めよう。遊んでよう~ ハート


ショコラ4



こらこら!邪魔しないの!おとなしくしてて。

んー、邪魔にしないでよー むぅ…


ショコラ5



ほら、ショコラのことを調べてるんだぞ。キミのことが書いてあるよ。

えっ!そうなの?


ショコラ6



嘘だけど ヤッター

もう、何よー。嘘つき!
ねええん 唇 やっぱり遊ぼう~。


ショコラ7



駄目ったら、駄目!

その後、主人に相手にされなくなったショコちゃんは…


ショコラ8



こうしてツチノコのようになったままでした。


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2009/06/21 04:09 | ペットのことCOMMENT(14)TRACKBACK(0)  TOP

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